2026-04-27

宅建の35条書面と37条書面の違い|混同しない理解のコツ

35条書面と37条書面、どっちがどっちか分からなくなる…

「35条書面の記載事項と37条書面の記載事項、どっちに何が書いてあるか分からなくなる」
「過去問を解くと、いつも35条と37条で迷って間違える」

宅建試験の受験生から、こうした悩みを本当によく聞きます。

35条書面(重要事項説明書)と37条書面(契約書面)は、宅建業法の中でも最重要テーマの一つです。毎年必ず出題され、しかも複数問出ることも珍しくありません。

にもかかわらず、多くの受験生がこの2つの書面を混同してしまい、本番で失点しています。

この記事では、なぜ35条と37条を混同してしまうのか、その根本原因を明らかにしたうえで、理解学習メソッドを使って確実に区別できるようになる方法を解説します。

そもそも35条書面と37条書面とは何か

35条書面(重要事項説明書)

35条書面は、契約締結「前」に、買主・借主に対して交付・説明する書面です。

目的は、「契約するかどうかの判断材料を提供すること」です。つまり、相手方が「この物件を買う(借りる)かどうか」を判断するために必要な情報を、事前に伝えるための書面です。

説明は宅地建物取引士が行い、取引士の記名が必要です。

37条書面(契約書面)

37条書面は、契約締結「後」に、契約の当事者双方に交付する書面です。

目的は、「契約内容を明確にし、後日のトラブルを防ぐこと」です。契約が成立した後に「言った・言わない」の争いを防ぐため、合意した内容を書面に残すのです。

37条書面には取引士の記名は必要ですが、取引士による説明義務はありません

なぜ多くの受験生が混同するのか

35条と37条を混同してしまう最大の原因は、「丸暗記で乗り切ろうとしている」ことにあります。

35条書面の記載事項と37条書面の記載事項には、重複する項目もあれば、片方にしかない項目もあります。これを一つひとつ丸暗記しようとすると、量が膨大なうえに似た項目が多いため、必ず混乱します。

たとえば、「代金の額・支払時期・支払方法」は37条書面の記載事項ですが、35条書面には記載しません。なぜでしょうか?

ここを「37条に書く」とだけ暗記していると、本番の緊張感の中で「あれ、35条だったかも…」と迷いが生じます。

しかし、理由を理解していれば迷いません。35条書面は「契約前の判断材料」です。代金の額は売主と買主の交渉で決まるものであり、契約前に重要事項として説明する性質のものではありません。一方、37条書面は「合意した契約内容の記録」ですから、代金の額を明記するのは当然です。

このように、「なぜその項目がその書面に必要なのか」を理解することで、暗記に頼らず正確に判断できるようになります。これが理解学習メソッドの考え方です。

理解学習メソッドで35条・37条を攻略する5つのステップ

ステップ1:書面の「目的」を完全に腹落ちさせる

まず最初にやるべきことは、それぞれの書面の目的を自分の言葉で説明できるレベルにすることです。

  • 35条書面:「買うかどうか決める前に知っておくべき情報」を伝えるもの
  • 37条書面:「契約で決まったこと」を記録するもの

この2つの目的を軸にすれば、各記載事項がどちらに属するか、論理的に判断できるようになります。

ステップ2:記載事項を「目的」に照らして分類する

各記載事項について、「これは契約前に知るべき情報か?」「これは契約後に記録すべき内容か?」と自問してみましょう。

たとえば、「物件の上に存する登記された権利の種類・内容」はどちらでしょうか。抵当権が設定されている物件を買うかどうかは、契約前に知っておかなければ判断できません。だから35条書面の記載事項です。

一方、「引渡しの時期」はどうでしょうか。いつ引き渡すかは売主と買主の合意で決まる契約条件です。だから37条書面の記載事項です。

ステップ3:「両方に記載する項目」の理由を考える

35条と37条の両方に記載する項目もあります。これが混乱の原因になりやすいのですが、理由を考えれば納得できます。

たとえば、「瑕疵担保責任(契約不適合責任)の定めがあるときはその内容」は、35条にも37条にも登場する可能性があります。

契約前には「どんな担保責任を負ってもらえるのか」が判断材料になり、契約後には「実際にどう合意したか」の記録が必要です。だから両方に記載するのです。

ステップ4:「なぜ?」を使って過去問を解く

過去問を解く際は、正解・不正解だけでなく、「なぜこの選択肢が正しいのか(誤りなのか)」を必ず言語化してください。

「37条書面に代金の額を記載する → ○」と答えるだけでなく、「37条書面は契約内容の記録だから、合意した代金の額を書くのは当然」と、理由まで言えるようにしましょう。

この訓練を繰り返すことで、本番で「暗記が飛ぶ」リスクがなくなります。

ステップ5:比較表を自分で作成する

最後に、35条書面と37条書面の記載事項を自分の手で比較表にまとめてみましょう。テキストの表をそのまま写すのではなく、「なぜこの項目がこちらに入るのか」のメモを添えながら作るのがポイントです。

自分で考えながら整理する作業そのものが、理解を深める最高の学習になります。

丸暗記が危険な理由

丸暗記で35条・37条を乗り切ろうとすると、次のようなリスクがあります。

  • 本番の緊張で記憶が混乱する:似た項目が多いため、プレッシャーの中で「どっちだったか」が分からなくなる
  • 応用問題に対応できない:近年の宅建試験は、単純な知識問題だけでなく、事例形式の出題も増えている
  • 学習効率が悪い:理由を理解せず覚えると、忘れるのも早い。何度やっても同じところで間違える悪循環に陥る

理解学習メソッドは、一見すると丸暗記より時間がかかるように思えます。しかし実際には、一度理解したことは忘れにくく、応用も利くため、トータルの学習効率は圧倒的に高くなります。

試験での出題ポイントを押さえる

35条・37条に関する出題では、特に以下の点が狙われやすいので注意しましょう。

  • 交付の相手方:35条書面は買主・借主に対して交付。37条書面は契約の当事者双方に交付
  • 取引士の関与:35条書面は取引士が説明し記名する。37条書面は取引士が記名するが説明義務はない
  • 交付のタイミング:35条書面は契約締結前、37条書面は契約締結後遅滞なく
  • 必要的記載事項と任意的記載事項:37条書面には「定めがあるときのみ記載する」任意的記載事項がある

これらのポイントも、すべて「書面の目的」から論理的に導き出せます。理解学習を実践していれば、出題パターンが変わっても対応できる力が身につきます。

まとめ

35条書面と37条書面の違いは、宅建試験の合否を左右する重要テーマです。

混同してしまう原因は、丸暗記に頼った学習法にあります。それぞれの書面の「目的」を理解し、記載事項を論理的に分類することで、確実に区別できるようになります。

今回紹介した5つのステップを実践すれば、35条・37条の問題は得点源に変わるはずです。

もし「一人で理解学習を進めるのが難しい」「自分の理解が正しいか確認したい」と感じたら、プロの指導を受けることも有効な選択肢です。

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